経団連提言と伝言ゲームの罠
>経団連「高専や大学理系学部の拡充を」
>科学技術立国へ政府に提言 - 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0856R0Y6A500C2000000/
2026-05-11T21:19>揺るぎなき大和魂を感じる
https://x.com/MuppyxMuppy/status/2053812162360176995
>他の先進国が大学院卒レベルの技術者を大量投入してる中、
>高専と学部卒理系を増やすことで科学技術立国を目指そうとしてる
2026-05-13T07:28>経団連の科学技術提言への批判を分析した記事が面白い
https://x.com/Astella6174/status/2054327872974983633
>リスキリングや人材育成のコストを公的機関(大学)に転嫁しようとしている
(「アウトソーシング」)
2026-05-13T17:41>90年代後半-2000年代の「失われた20年」
https://x.com/Yutaka__Morita/status/2054482038607302924
>技術者・研究者をリストラ対象にしました
2026-05-13T07:28 ポストが紹介するさらに先の資料まで読むと、「高専・学部卒を
増やせ」「アウトソーシング」というキーワードだけでは提言の全体像は把握できず、
伝言ゲームの罠に陥る危険があるかもしれません。
・ジョブ型とメンバーシップ型
これらの記事や指摘の背景には、前提として日本と外国の雇用構造の違いがあった。
外国(ジョブ型):
職能に見合う人材を雇用する。
だから院卒の高度専門家が直接的な戦力になる[参照]。
日本(メンバーシップ型):
まずメンバーとして雇用し、OJTで職能に見合うよう育てる。
この発想では「余分な」専門性は無駄[1]になるとさえ見なされる。
→ 2025-09-11 『ジョブ型雇用社会とは何か』
・メンバーシップ型が崩れていく
しかし、企業の現場では、メンバーシップ型を支えていた正規雇用の基盤そのものが
静かに崩れつつある。
その構造はこうだ。
日本は長く、クルーグマンが日本経済について論じた「例外的な罠」に近い
低金利・低成長の相(AI_and_Social_Design.pdf p.10 左側)にあった。
人間が現状ではなく将来の予測に反応するという性質から、この相では、
悲観的な予測が正のフィードバック[2]をかけて「罠」を深める。要するに、
「未来が悪くなる」という予測そのものが、未来を悪くする構造である。
具体的な連鎖(※)はこうだ。
銀行が将来を悲観して貸し出しを絞る[参照]。
→ 企業は内部留保を積み増す必要が増える。
→ 労働分配率を下げようとする[3] & 研究開発費を絞る[4]。
→ 賃金には下方硬直性があるため直接の賃下げは難しく、
雇用形態を正規から非正規に切り替えることで人件費を削る。
その結果、「メンバーとして雇用しOJTで育てる」という正規雇用者の割合が減り、
企業そのものが空洞化してきたのだ。
・提言に対する危惧
この連鎖が進んでしまった現時点では、経団連が「高専・学部卒を増やせ」と
言っても、その卒業生を正規のメンバーとして受け入れ、OJTで育てる企業側の
体力がすでに失われつつある。「アウトソーシング」の発想自体は、現場のそう
した現状認識の反映なのだろう。そして、より上層の経団連リーダーたちは実務
から遠ざかって久しく、現実からさらに遅れている可能性[5]がある。
そうした温度差が冒頭の新聞の要約の仕方に現れているようだ。
[1] 論点(A)の価値観層にも関わる考え方。
[2] 「正のフィードバック」こそが明確に“相”を分ける原因となると理解。
[3] (※)は(論点(B)の制度層に属する)税制についての記事を書く際に参照するかもしれない。
[4] 短期的な利益に結びつきにくいため、悲観的な予測のもとでは真っ先に削られる。
内部留保の運用が、(悲観的な)国内よりも国外に向かい、国内の設備投資も振るわない
…という、もうひとつの現象も「例外的な罠」相にはある。
[5] 2026-05-13T07:28 ポストの先を読むと、下の人ほど現状が分かっていて、
上の人ほど現状が分かっていない…という状況が危惧される。
2026-04-19 ブランシャール提言と「切り取り」の構造 で見たように、元の提言その
ものよりも、その受け取られ方と要約のされ方の方が問題になっている構図に近い。
[関連記事] 2025-05-09 『新しい封建制がやってくる』#日本固有の問題
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>科学技術立国へ政府に提言 - 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0856R0Y6A500C2000000/
2026-05-11T21:19>揺るぎなき大和魂を感じる
https://x.com/MuppyxMuppy/status/2053812162360176995
>他の先進国が大学院卒レベルの技術者を大量投入してる中、
>高専と学部卒理系を増やすことで科学技術立国を目指そうとしてる
2026-05-13T07:28>経団連の科学技術提言への批判を分析した記事が面白い
https://x.com/Astella6174/status/2054327872974983633
>リスキリングや人材育成のコストを公的機関(大学)に転嫁しようとしている
(「アウトソーシング」)
2026-05-13T17:41>90年代後半-2000年代の「失われた20年」
https://x.com/Yutaka__Morita/status/2054482038607302924
>技術者・研究者をリストラ対象にしました
2026-05-13T07:28 ポストが紹介するさらに先の資料まで読むと、「高専・学部卒を
増やせ」「アウトソーシング」というキーワードだけでは提言の全体像は把握できず、
伝言ゲームの罠に陥る危険があるかもしれません。
・ジョブ型とメンバーシップ型
これらの記事や指摘の背景には、前提として日本と外国の雇用構造の違いがあった。
外国(ジョブ型):
職能に見合う人材を雇用する。
だから院卒の高度専門家が直接的な戦力になる[参照]。
日本(メンバーシップ型):
まずメンバーとして雇用し、OJTで職能に見合うよう育てる。
この発想では「余分な」専門性は無駄[1]になるとさえ見なされる。
→ 2025-09-11 『ジョブ型雇用社会とは何か』
・メンバーシップ型が崩れていく
しかし、企業の現場では、メンバーシップ型を支えていた正規雇用の基盤そのものが
静かに崩れつつある。
その構造はこうだ。
日本は長く、クルーグマンが日本経済について論じた「例外的な罠」に近い
低金利・低成長の相(AI_and_Social_Design.pdf p.10 左側)にあった。
人間が現状ではなく将来の予測に反応するという性質から、この相では、
悲観的な予測が正のフィードバック[2]をかけて「罠」を深める。要するに、
「未来が悪くなる」という予測そのものが、未来を悪くする構造である。
具体的な連鎖(※)はこうだ。
銀行が将来を悲観して貸し出しを絞る[参照]。
→ 企業は内部留保を積み増す必要が増える。
→ 労働分配率を下げようとする[3] & 研究開発費を絞る[4]。
→ 賃金には下方硬直性があるため直接の賃下げは難しく、
雇用形態を正規から非正規に切り替えることで人件費を削る。
その結果、「メンバーとして雇用しOJTで育てる」という正規雇用者の割合が減り、
企業そのものが空洞化してきたのだ。
・提言に対する危惧
この連鎖が進んでしまった現時点では、経団連が「高専・学部卒を増やせ」と
言っても、その卒業生を正規のメンバーとして受け入れ、OJTで育てる企業側の
体力がすでに失われつつある。「アウトソーシング」の発想自体は、現場のそう
した現状認識の反映なのだろう。そして、より上層の経団連リーダーたちは実務
から遠ざかって久しく、現実からさらに遅れている可能性[5]がある。
そうした温度差が冒頭の新聞の要約の仕方に現れているようだ。
[1] 論点(A)の価値観層にも関わる考え方。
[2] 「正のフィードバック」こそが明確に“相”を分ける原因となると理解。
[3] (※)は(論点(B)の制度層に属する)税制についての記事を書く際に参照するかもしれない。
[4] 短期的な利益に結びつきにくいため、悲観的な予測のもとでは真っ先に削られる。
内部留保の運用が、(悲観的な)国内よりも国外に向かい、国内の設備投資も振るわない
…という、もうひとつの現象も「例外的な罠」相にはある。
[5] 2026-05-13T07:28 ポストの先を読むと、下の人ほど現状が分かっていて、
上の人ほど現状が分かっていない…という状況が危惧される。
2026-04-19 ブランシャール提言と「切り取り」の構造 で見たように、元の提言その
ものよりも、その受け取られ方と要約のされ方の方が問題になっている構図に近い。
[関連記事] 2025-05-09 『新しい封建制がやってくる』#日本固有の問題
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