‘deep ancestral structure’(つづき)

 2025-03-25 ‘deep ancestral structure

の標題の論文の日本語による解説を拾いました。

>ヒトの遺伝子の2割は150万年前の「幻の人類」に由来する
>- Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
https://forbesjapan.com/articles/detail/92905

個人的に気になった事項はふたつ

・遺伝子の歴史と種(ないしその上位分類)の歴史

全く、別の話題でしたが、

 2024-04-30 哺乳類の分類

|>これらのうちどれが最初に分岐したのかに関する合意は
|>2017年現在存在しない

は「個別の遺伝子の分岐年代を評価すると、分岐時期が接近した
3つの系統の三つ又分岐の順序について異なる結論を導くことが
ある」ためだそう。元論文では、遺伝子ごとのバラつきを扱え、
遺伝子の歴史と種の歴史の関係が正しく整理できるモデルが使われ
たようです。

・ボトルネックと合流の関係

冒頭のフォーブスの解説では、合流によって遺伝子が有害な効果を
もたらし、ボトルネックが起こったとしていますが、これは誤読
のようです。ボトルネックは150万年前の分岐直後のことで、一方
「遺伝子が有害な効果をもたら」したと推定されるのは30万年前の
合流時のこと。両者は全く年代が異なる。後者は、少数側の遺伝子
がコード領域から離れた領域に選択的に残っていることが根拠で、
ボトルネックは無関係ではないかな。

なお、ブログ記事では採り上げませんでしたが Bookmarks では
非公開部分ながら、3年弱前に、

>初期人類と交雑した未知の種「ゴースト」などいなかった、
>新説 - ナショナル ジオグラフィック日本版サイト
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/23/051900247/

を拾っていますから、標題の論考はその後の進展となります。

余談ですが、まったく別の文脈で、

 2025-10-29 「縄文人の祖先を探る

|>出村政彬「縄文人の祖先を探る 3万年より前にいたゴースト集団」

という例もあり、古人類学方面では“ゴースト”という語が広く
使われるようになってきたのかもしれません。

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