「凡そ」の有無

[Calendar/When/Exe/暦説明/本編/日本/補足/明治改暦]で、「凡ソおよそ四歳每ニ一日」
という表現を使ったので、

 2015-09-19 『日本暦日原典』関連

|『日本暦日原典』(1975)p.544の

|> この詔書の文章は、のちに三正綜覧の編さんに携わった権大外史・塚本明毅の
|> 建議書を参考にしていることは直ちにわかる。そしてその建議書はまた、中井
|> 竹山(1730~1804)の「草茅危言」および吉雄南皐(1787~1843)の「遠西観象図説」
|> を援用していることが看取される。殊に7000年に1日の差という間違いは、
|> 吉雄の計算違いがそのまま使われている。<中略>この詔書では400年に3回
|> 閏年を除くというグレゴリオ暦の特徴が脱落していた。そのためこのままでは
|> 1900年(明治33年)が閏年になってしまうので、明治31年の勅令第90号が必要と
|> なってくる。

に関して、これまで記していなかった問題点をひとつメモしておきます。

『遠西観象図説』に書いてあったのは、「円環年は365日5時間49分なので400年97閏の
グレゴリオ暦の誤差は7200年に1日となる」ということで、

・「7200年」「400年97閏」の対でセット
・「7000年」という年数は書かれていない

のです。通常の言語感では「そのまま」には該当しません。

『日本暦日原典』が「そのまま」としたのは、

 7200年 → 凡そ7000年 → 7000年

を許容したからでしょう。

しかし、「凡そ7000年」を単に「7000年」と言い切っていると解釈するのであれば、対の

 400年97閏 → 凡そ4年1閏 → 4年1閏

についても、「凡そ4年1閏」を単に「4年1閏」と言い切ることを許容しなければ二重基準
になってしまいます。そして、許容すれば「そのためこのままでは」以降は無意味です。

こう考えると、『筆算訓蒙』の発見を待たず、もともと上記引用の記述は破綻していた
ように思います。

[関連記事] https://suchowan.seesaa.net/search?keyword=通説の再検討

[2025-09-10 追記]
 ちなみに 7200年 を 7200年±50年 と解釈すると、円環年は 365日5時間49分00秒±1/12秒
 となり、<円環年>15頁の±0.5秒をさらに狭められます。

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