『ブッダという男』

標題の本について若干のメモ。

ブッダ本来の思想に迫るというと、従来は小部の韻文資料を
重視するというアプローチでしたが、それらは他「の沙門宗教
と共通の基盤を持」つ(p.36)もので遡りすぎだというのが著者
の見解。

仏教内に閉じて理解しようとするとなぜある概念が強調される
のかが見えないが、ウパニシャドや他の沙門宗教との差分は
何かという切り口で独自性を浮かび上がらせると視界が開ける。

研究者が後代の価値観を持っていて、残った当時の文献を評価
しようとすると主観が入るというのはありがちかもしれません。

門外漢なので妥当性は判断できませんが面白い切り口だと
思います。

もうひとつ。p.145あたりの記述はグノーシスを連想しました。
# 時系列的にグノーシス→仏教という関係はあり得ないですが

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