「午前」「午後」検索(補足)

昨日の補足

これらの中で最も早い部類の事例が福沢諭吉『西洋事情』ですが、
「午前」とは…「午後」とは…という説明ではなく、読者が当然
に理解できる用語であるものとしての書き方になっています。

今回の検索は、やはり分母として、明治期より前の資料点数が
もともと少ないことの影響を受けているのでしょう[1]

ただ、検索事例の多くが海事関係の文献であるところから、用語
の普及経路も少しは想像できるように思います。明治改暦の建議
を行った長崎海軍伝習所出身の塚本明毅も その経路上にいた。

なお、管見で(時間ではなく)時刻の表記に「時」を使った事例は、
18世紀末の咬𠺕吧(カラパ)暦がありますが、

 2019-10-25 カラパ暦の時刻表記

にあります通り「午前」「午後」などの表記はまだありません。

[1] Google Books で1845年の「午前」の例がヒットしたので
  確認したら、内容が明治八年太陽暦でがっかり。

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