『椿井文書』

馬部隆弘『椿井文書―日本最大級の偽文書

これ、興味深かったです。

椿井文書は椿井政隆(1770-1837)が偽作した、大量の
偽文書・系図・由緒書・絵図などの総称で、この本で
初めて知りました。

p.72
>こと大和国外における興福寺の影響力については、
>現在のところ椿井文書に基づいた認識が色濃く反映
>している。そのため、椿井文書を払拭した興福寺像
>の構築が課題となってくる。

p.228
>研究者が椿井文書の活用に火をつけて、行政がそれ
>に油を注いで市民にも周知し、場合によってはすで
>に義務教育のなかでも用いられている

このような偽文書を受容する側の色々な事情が、江戸
時代から現代まで様々存在しているという分析がなさ
れていますが、将来に禍根を残さないようどうすべき
か ― 難題だと思います。

なお、多くの椿井文書は日付が未来年号(改元した年
の改元前の月日)になっており、これは偽造を罪に問
われた場合に申し開きをするための意図的な矛盾と
考えられる由。

[2020-05-08 追記]
こんな記事が出ました↓
>「日本最大級の偽文書」か
>郷土史の定説ひっくり返るかも…京都・山城の古文書
https://rd.kyodo-d.info/ud/KD:kyoto:20200508100513?c=39546741839462401

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック