将棋の局面評価値と勝率

将棋の局面評価値と勝率の関係については、

 2019-01-21 将棋の先手勝率

| 最初の先手の有利を、棋力が高いほど維持しやすいという傾向が
| あるのではないかと思われ、究極的な議論として、
   …
| のような8割という推定もあります。

と書いたように局面評価値に対応する勝率はプレーヤーの棋力に
よって変わるもので、論理的には勝率が局面評価値の一価関数に
なるわけではありませんが、プレーヤーの棋力として通常の人間
を仮定[1]した場合には、

>ソフト評価値による人間の対局の勝率予想について

 (勝率)=1/(1+EXP(-(評価値)/580))

のような経験式が成立する由[2]

一方、棋力に関するイロレーティングでは、

 (勝率)=1/(1+10-(レート差)/400)

という計算式が用いられています[3]

つまり、同じ勝率に対応する評価値とレート差の換算ファクターは、

 400 / (580 ln(10)) = 0.3

で、評価値 1000 が レート差 300 に相当する。

また、先手の後手に対する勝率を 53% とすると、そのレート差は
勝率とレート差の関係式より、

 約 21

になりますが、これは評価値にすれば、

 約 70

に相当する差となります。

観戦をする際には、こういう数値を頭に入れておくと見通しがよいです。

[1] 囲碁の場合には当該局面以降をモンテカルロ法を用いて打ち継いだ
  場合の勝率がスタンダードとなっているようです。これは打ち手が
  人間か否かに依存しません。

[2] ただし、評価値は Kristallweizen の場合です。
  もともと評価値の単位は centi pawn だったそうですが、
  角落ちの評価値を 600 とすると若干ずれているかもしれません。

[3] → Wikipedia 「イロレーティング

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