斉藤国治さんの計算の正午のずれ

さて、昨日のまとめを踏まえて、斉藤国治『日本・中国・朝鮮 古代の時刻制度』p.146の

画像

で、平均(表の右下隅)が御堂関白記にある時刻表記の対称性から当然なるべき
正午(12:00)ではなく11:55.4になって、60進法で5分弱(御堂関白記の表記の1分)
ズレてしまった原因を示しておきます。

(1) 採用したモデルの違い

斉藤国治さんは昨日の図の(B)橋本万平案を採用しました。このため、例えば[1]
御堂関白記の日の出の時刻の表記が②卯初刻二分であれば、Suga 2017 図1(B)
をひいて①として、

 05:04:48~05:09:36

を得ます。これにより御堂関白記の表記の1/2分のズレが生じます。

(2) 代表値の選択誤り

「元情報」が区間 05:04:48~05:09:36 にあったと推定された場合、
その代表値は区間の中央値である 05:07:12 とすべきでした。
ところが、『古代の時刻制度』p.146では、中央値ではなく下限値の

 5:05 ( ≒ 05:04:48)

を代表値としています。これにより御堂関白記の表記の1/2分のズレが生じます。

この(1)(2)のズレを合計して、結局p.146の表では御堂関白記の表記の1分の
ズレが生じたのです。

なお、(B)モデルを採用している人が、卯の初めから卯時正までの時間間隔
が2刻0.5分であると主張することは内部矛盾ではありません。あくまで
時間間隔を考察しているのであって、時刻表記の議論ではないからです。

『日本・中国・朝鮮 古代の時刻制度』p.143
>時正が2刻0.5分であるであるから1辰刻は4刻1分に等しいことになる
この引用の後半から時間間隔について議論していることが明らかです。

[1] No.1 (IOからの通日 219)

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