「御堂関白記に記載された日の出・日の入り時刻の復元」

2017-06-01 書き込み保留その後

| さらに、今年の3月末にもう一件、有望そうな知見が得られて論文化
| しようとしています、

一番最後の件が、情報解禁になりました。

2017-10-25 「具注暦の時刻表記について」フォローアップ(続き)

| (2) 日出・日没時刻の決定方法

を扱った標題の論文が『科学史研究』10月号に掲載されました。
投稿規定によれば著作権は日本科学史学会となる由で、これまで
のような形で自由に PDF を公開できない点、ご容赦ください[1]

(2) を解明するにあたって、常識的には

(a) (p.1)に特徴的な対称性を持ったモデルを設計する。
(b) 日の出・日の入り時刻を記載するべき日付を選定する。
(c) その日付での昼・夜の長さ、日の出・日の入り時刻を計算または観測する。
(d) 各通番に対応したワンセットの日の出・日の入り時刻を決定する。

であろうと考えて行き詰っていたのですが、

2017-10-26 「日食記事の欠字

| (2) 2017年日本暦学会講演「御堂関白記の時刻制度」(2017-03-24)

にあった、御堂関白記に日の出・日の入り時刻が記載される日が、

>延喜式の期間の初めの日に一致する

という指摘[2]がヒントとなって (b) が (a) に先行することに気づいた
のが突破口となり、一気に論文を仕上げることができました。

 2017-03-24 日本暦学会講演
 2017-03-27 講演のハンドアウト入手
 2017-04-10 論文投稿
 2017-04-17 論文受理
 2017-06-08 論文採録決定

実質、半月で論文を書いたことになります。

論理構造が 2016-12-16 思い込みは怖い?にはまりますが、
| 問題を認識しつつ、割り切って考えねば先に進めません。
| だから「思い込みは怖い」けど踏み込まねばならないときはある。
に、まさに該当するケースだと査読者にも納得いただけて良かった。

(c) の計算または観測が具体的に何かという疑問は今後の課題として
残りましたが、何れにしても現実に非常に近いデータをもとにして
日の出・日の入り時刻が導出されたことになり、1913年の平山清次氏の

>宣明暦でない所の粗悪な暦法によつたものゝように見える。
>兎に角此等の事は猶深く研究して見ねば確かな事はわからぬ。

という問題提起にほぼ百年ぶりに一応の決着を付けられたのではないか
と思います。

[1] 別刷ご希望の方は送り先をご連絡いただければ対応可能です。
  また「暦の会」の方は、別途ご相談ください。

[2] 実際にはこの指摘は必ずしも成立しません。

[2017-11-03 追記]
 関連記事の一覧を下記記事(↓)に整理しています・
 2017-11-06 整理-「御堂関白記に記載された日の出・日の入り時刻の復元」

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