「具注暦の時刻表記について」フォローアップ(続き)

2017-06-26 「具注暦の時刻表記について」フォローアップ

の記事の通り、

| (1) 具注暦の時刻表記がどのような体系か
| (2) 日出・日没時刻の決定方法

の(1)が解決して(2)が残ったわけですが、(2)はかなり解決が
困難とみられたのではないでしょうか?

なぜなら、具注暦の日出・日没時刻は現実と明らかに乖離して
いるからです。

その端的な例が春分

宣明暦は定朔平気なので平気の春分を含む月が二月です。地球の
近日点が冬至付近のため、定気の春分は平気の春分より日付が
早まります。つまり、春に昼夜の長さが同じになる日は、正月・
閏正月・二月のいずれかに含まれねばなりません。

ところが御堂関白記では寛弘7年(1010)閏2月2日の昼夜の長さが
同じです。これは計算するまでもなく変です。

実際、この日をグレゴリオ暦で表すと3月26日になってしまいます。
太陽の赤緯の変化が一番大きい時期ですから、これは大変なズレ
です。

仮定を積み重ねて、これほどの乖離を説明できたとしても、
その仮定に説得力を持たせるのは難しい。歴代の研究者は当然
そのような認識だったと思います。

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