2つの伏角

2017-05-27の記事についたコメントで2つの伏角が出ました。

・寛政暦の伏角 7°21′36″
・現行暦の伏角 7°21′40″ (明治45年版初出)

 2012-08-13 「日時計は何を測れるか?」の式

 cos H = (sin h - sin φ sin δ) / (cos φ cos δ)

で、

 時角 H = (25 + 2.5) / 100 × 360° = 99° (25は日の出入-正午, 2.5は薄明)
 赤緯 δ = 0° (春秋分のため)

として、

 cos φ = sin h / cos(99°)

この h に冒頭の伏角を代入して、観測地の緯度φを求めると、

・寛政暦 35.02577°(35°01′32.8″)
・現行暦 35.01349°(35°00′48.6″)

Google Map で確認すると現行暦の緯度は京都では二条通りくらいに該当し、
寛政暦の緯度は、それより 1.4 km ほど北になってしまいます。

京都西三条の観測定点(北緯35度0.8分)を基準にすると、今度は逆に、
φ から h を求めて、

 -h = 7.36113°(7°21′40.05″)

…確かに合います。

明治45年暦というとおそらく担当は平山清次さんです。

2033年問題はどのように知られてきたか」脚注21では、平山さんが
> 不明確なアルゴリズムに「いかなる場合も」という文言を入れて
> 天保暦を Well-Defind なちゃんとしたものに訂正してやる
というスタンスだったのではないかと示唆しました。

寛政暦についても
>辻褄のあわない数値[1]をちゃんとしたものに訂正してやる
という同じスタンスだったのかもしれません。

ただ、http://library.nao.ac.jp/kichou/archive/9054/M45/kmview.html
を見ると「寛政暦」には言及していないようです。

[1] 実際には寛政暦は 7.3611 を小数点以下2桁に丸めただけのことで、
  辻褄を気にするべきことではなかったのではないかと思います。

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