並立制・併用制・連用制
自民、選挙制度改革で「比例特例枠60」を提案
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1400D_U3A310C1000000/
第一党への投票と第二党への投票の1票の重みが違うのが憲法上問題になりそうですね。
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/news/20130323-OYT1T00298.htm
選挙制度の話は、以前
2012-10-08 アラバマのパラドックス
2012-10-09 アローの不可能性定理
2012-12-09 小選挙区比例代表並立制
2012-12-18 小選挙区3乗則
でとりあげました。2012-12-09の記事では、
(1) 衆議院の総定数をドント式で各比例代表ブロックに割り当てる。[追記]
(2) 各比例代表ブロックの定数は「(1)で割り当てた数 - そのブロックの小選挙区数」とする。
(3) 重複立候補者の復活当選は、惜敗率ではなく、単純に得票数による。
ことを提案しています。
並立制・併用制・連用制を簡単に再整理してみましょう。
・小選挙区比例代表並立制
比例代表の議席は各党の得票数を、1で割り、2で割り…と割っていき、商の大きな順に議席を
割り当てる。小選挙区の当選分は比例代表とは別で、比例代表の議席数には含まない。
つまり小選挙区の1票は完全に議席数へ寄与する(1票の重みが1)。
・小選挙区比例代表併用制
比例代表の議席は各党の得票数を、1で割り、2で割り…と割っていき、商の大きな順に議席を
割り当てる。小選挙区の当選分は原則として比例代表の議席数に含まれる。つまり小選挙区の
1票は議席数へ寄与しない(1票の重みが0)[1]。ただし、小選挙区の当選者数が、その政党が
獲得した比例代表の議席数を超えた場合は「超過議席」とし、全体の議席数が「超過議席」分
だけ増えることがある。
・小選挙区比例代表連用制
比例代表の議席は各党の得票数を、その政党の小選挙区当選者数+1で割り、+2で割り…と
割っていき、商の大きな順に議席を割り当てる。こうして割り当てた比例代表の議席数と小選挙区
の議席数を合計すると、全体の議席数は各党の比例代表への得票率にほぼ比例することになる[2]。
つまり併用制と同様に小選挙区の1票は議席数へ寄与しない(1票の重みが0)。全体の議席数が
「超過議席」分だけ増えることはない。
並立制と連用制は下記の条文の1ケースです。
比例代表の議席は各党の得票数を、その政党の(小選挙区当選者数×R)+1で割り、+2で
割り…と割っていき、商の大きな順に議席を割り当てる。
R=0なら並立制、R=1なら連用制。R=60/300=0.2なら、小選挙区の内60議席分と比例代表の
議席数を合計したものが各党の比例代表への得票率にほぼ比例する。これは小選挙区の1票の
議席数への寄与(1票の重み)が1-R=0.8倍になることを意味します([1]参照)
2012-12-09の記事の案の問題点は、小選挙区分と比例分の重みが各比例ブロックごとに異なること
でした。2012-12-09の記事の案と上記の朱記配分案を組み合わせれば、この問題点が解消します[3]。
比例代表ブロックごとにRを変えて小選挙区の1票の重みの比例代表ブロック間の不公平を相殺し、
小選挙区の1票の重みが比例代表ブロックによらず等しくなるようにすることができるからです。
前回衆議院議員選挙のデータに基づく試算をこちらに置きました。比例の議席数を30減らした分
第一党の自民党の議席数が減り、その他の政党への影響は軽微です。比例の得票率と議席数に
逆転が生じますが連用制とはもともとそういうものです[4]。この例では比例の得票率に比例するのは、
「比例議席数」ではなくむしろ「小選挙区議席数÷5+比例議席数」だからです[5]。
(この試算では「小選挙区議席数÷5+比例議席数」を連用制で処理していると言えます)
[1] つまり、小選挙区は誰を当選者とするかを決めるだけで、「超過議席」が発生する場合を除けば、
全体の議席数には影響がない(小選挙区の1票の議席数への寄与が0)ということです。
ネットで見られる併用制や連用制への批判は多くがこのポイントを理解していない(ふりをしている?)
ためと見受けます。併用制や連用制でも小選挙区と比例の2票投票するので2票分の価値があると
誤解してしまうということでしょう。実際は並立制とは異なり1票分の価値しかない制度なのです。
制度設計としては、2票投票するのであれば、その2票が同じ価値を持つようにすべきなのでは
ないかと思います。2票の価値の差が大きいと「民意を曲げる」という批判が出てくるのではない
でしょうか。これは論理というより素朴な感情でしょう。
[2] 併用制で「超過議席」が発生しないほど、比例代表の議席数が十分ある場合です。
[3] 個々の比例ブロック内の小選挙区間の1票の重みの問題は残りますから、小選挙区の区割りの
是正が不要になることはもちろんありません。
[4] もちろん自民案のように並立制なのに逆転するのは異常です(憲法違反濃厚)。
[5] ÷5は全国平均でR=0.2にあたります。このとき最も1票の軽い東京でほぼR=0です。
------------------------------
[追記] 試算ではドント式ではなく幾何平均を用いるヒル方式を使っています。
どうも、議員定数の配分問題の解法としてはドント式よりヒル式かウェブスター式がよいようです。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1400D_U3A310C1000000/
第一党への投票と第二党への投票の1票の重みが違うのが憲法上問題になりそうですね。
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/news/20130323-OYT1T00298.htm
選挙制度の話は、以前
2012-10-08 アラバマのパラドックス
2012-10-09 アローの不可能性定理
2012-12-09 小選挙区比例代表並立制
2012-12-18 小選挙区3乗則
でとりあげました。2012-12-09の記事では、
(1) 衆議院の総定数をドント式で各比例代表ブロックに割り当てる。[追記]
(2) 各比例代表ブロックの定数は「(1)で割り当てた数 - そのブロックの小選挙区数」とする。
(3) 重複立候補者の復活当選は、惜敗率ではなく、単純に得票数による。
ことを提案しています。
並立制・併用制・連用制を簡単に再整理してみましょう。
・小選挙区比例代表並立制
比例代表の議席は各党の得票数を、1で割り、2で割り…と割っていき、商の大きな順に議席を
割り当てる。小選挙区の当選分は比例代表とは別で、比例代表の議席数には含まない。
つまり小選挙区の1票は完全に議席数へ寄与する(1票の重みが1)。
・小選挙区比例代表併用制
比例代表の議席は各党の得票数を、1で割り、2で割り…と割っていき、商の大きな順に議席を
割り当てる。小選挙区の当選分は原則として比例代表の議席数に含まれる。つまり小選挙区の
1票は議席数へ寄与しない(1票の重みが0)[1]。ただし、小選挙区の当選者数が、その政党が
獲得した比例代表の議席数を超えた場合は「超過議席」とし、全体の議席数が「超過議席」分
だけ増えることがある。
・小選挙区比例代表連用制
比例代表の議席は各党の得票数を、その政党の小選挙区当選者数+1で割り、+2で割り…と
割っていき、商の大きな順に議席を割り当てる。こうして割り当てた比例代表の議席数と小選挙区
の議席数を合計すると、全体の議席数は各党の比例代表への得票率にほぼ比例することになる[2]。
つまり併用制と同様に小選挙区の1票は議席数へ寄与しない(1票の重みが0)。全体の議席数が
「超過議席」分だけ増えることはない。
並立制と連用制は下記の条文の1ケースです。
比例代表の議席は各党の得票数を、その政党の(小選挙区当選者数×R)+1で割り、+2で
割り…と割っていき、商の大きな順に議席を割り当てる。
R=0なら並立制、R=1なら連用制。R=60/300=0.2なら、小選挙区の内60議席分と比例代表の
議席数を合計したものが各党の比例代表への得票率にほぼ比例する。これは小選挙区の1票の
議席数への寄与(1票の重み)が1-R=0.8倍になることを意味します([1]参照)
2012-12-09の記事の案の問題点は、小選挙区分と比例分の重みが各比例ブロックごとに異なること
でした。2012-12-09の記事の案と上記の朱記配分案を組み合わせれば、この問題点が解消します[3]。
比例代表ブロックごとにRを変えて小選挙区の1票の重みの比例代表ブロック間の不公平を相殺し、
小選挙区の1票の重みが比例代表ブロックによらず等しくなるようにすることができるからです。
前回衆議院議員選挙のデータに基づく試算をこちらに置きました。比例の議席数を30減らした分
第一党の自民党の議席数が減り、その他の政党への影響は軽微です。比例の得票率と議席数に
逆転が生じますが連用制とはもともとそういうものです[4]。この例では比例の得票率に比例するのは、
「比例議席数」ではなくむしろ「小選挙区議席数÷5+比例議席数」だからです[5]。
(この試算では「小選挙区議席数÷5+比例議席数」を連用制で処理していると言えます)
[1] つまり、小選挙区は誰を当選者とするかを決めるだけで、「超過議席」が発生する場合を除けば、
全体の議席数には影響がない(小選挙区の1票の議席数への寄与が0)ということです。
ネットで見られる併用制や連用制への批判は多くがこのポイントを理解していない(ふりをしている?)
ためと見受けます。併用制や連用制でも小選挙区と比例の2票投票するので2票分の価値があると
誤解してしまうということでしょう。実際は並立制とは異なり1票分の価値しかない制度なのです。
制度設計としては、2票投票するのであれば、その2票が同じ価値を持つようにすべきなのでは
ないかと思います。2票の価値の差が大きいと「民意を曲げる」という批判が出てくるのではない
でしょうか。これは論理というより素朴な感情でしょう。
[2] 併用制で「超過議席」が発生しないほど、比例代表の議席数が十分ある場合です。
[3] 個々の比例ブロック内の小選挙区間の1票の重みの問題は残りますから、小選挙区の区割りの
是正が不要になることはもちろんありません。
[4] もちろん自民案のように並立制なのに逆転するのは異常です(憲法違反濃厚)。
[5] ÷5は全国平均でR=0.2にあたります。このとき最も1票の軽い東京でほぼR=0です。
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[追記] 試算ではドント式ではなく幾何平均を用いるヒル方式を使っています。
どうも、議員定数の配分問題の解法としてはドント式よりヒル式かウェブスター式がよいようです。
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