出差

中国の天文暦学は朔・望・日月食などに関心の重点を置きすぎたため、
ヨーロッパではプトレマイオスの時代から知られていた出差などの摂動項を
発見できなかった…とはよく言われることですが、朔望月の半分の周期で
ある二均差ならともかく、周期31.8日の出差がなぜ発見されなかったかは
直観的ではありません。

これは、下記のような種明かしのようです。

 中心差  平均近点離角の関数
 出差  (平均近点離角-2×月の位相)の関数

月の位相が朔・望のときだけ観測を行うと、出差は平均近点離角の関数に
なってしまい中心差と区別がつきません。つまり、月の位置のずれへの
中心差の寄与と出差の寄与を分離できないのです。

これが、中国の天文暦学が独自に出差を発見できなかった理由だそうです。

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本日の記事は薮内清『増補改訂中国の天文暦法』によりました。

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