米価安の諸色高

石高の話が出た関連で…

磯田道史『武士の家計簿』(新潮新書 2003)P.55の表によれば、米一石(天保14年7月)は、
 大工手間賃で換算して 27万円
 消費者米価で換算して  5万円
どちらを用いるかで、5.4倍も異なります。

米一石が銀67.5匁に対して、大工見習い日当 2匁とすると、見習いでは1か月休みなしに
働いても米一石を買えない計算になります。つまり、当時は現代に比べ圧倒的に米価高の
諸色安であった…裏返せば、現代は当時に比べ圧倒的に米価安の諸色高だということに
なります。

実は、この傾向は江戸時代のもっと早い時期からおこっていました。そもそも徳川吉宗が
享保の改革を行ったのは「米価安の諸色高」が原因でした。米価をコントロールしようと
したから“米公方”と呼ばれたのです。

つまり「米価安の諸色高」は、平均すればここ数百年の一貫した傾向です。

社会構造の変化によって、物価の構成は徐々に変わっていきます。政府の物価統計も、
実態をできるだけ正確に把握するため、物価評価に用いるモノの構成を定期的に見直し
ています。しかし、見直しには必ずタイムラグが生じるため、社会構造の効率化が進む
状況の中では、物価上昇率の統計は高めに出ます。

この統計をもとに 0% のインフレターゲットのアクションをとると、実はデフレターゲット
になってしまうわけです。

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2007年ごろの日銀のゼロ金利解除の件を、少し前に日経新聞がドキュメント風に振り返って
いた記事があったと思うのですが、リファレンスを見つけられませんでした。
「ドキュメント日銀-攻防 量的緩和解除」

[2012-12-10 追記]
この記事は分かりやすいです。
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070731

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