御堂関白記の時刻制

斉藤国治氏『日本・中国・朝鮮 古代の時刻制度』によれば、
具注暦の時刻制については4刻1分が存在することに関して
議論が収束していない由。

明文化されたルールが残っておらず、状況証拠から推定するしかない

御堂関白記の日の出・日の入り時刻から判る状況証拠
 初刻(0刻)から4刻まで存在するので、延喜式と相違する
  初刻0分・1刻0分・2刻0分の実例はない
  3刻0分・4刻0分・4刻1分の実例はある

過去の推定
 延喜式のルールでは、1日=48刻となり10進法で扱いにくい
 1日=50刻となるように改めた(平山清次氏の説)
 →4刻1分の実例が存在することが説明できない(橋本万平氏の指摘)
 →初刻5分、1刻~3刻6分、4刻2分(橋本万平氏の説)
 →斉藤国治氏は1日=52刻を検討したが、最終的に採用しなかった

宝暦暦からの類推
 1日=50刻で、分未満四捨五入なのではないか?
 →午後11時~午前1時を「子」とするのは四捨五入の発想なので首尾一貫している
 →上側、下側対称に丸めないと、表が対称にならない
 →初刻0分の範囲は通常の半分なので、たまたま実例がなかったのではないか

日の出・日の入り時刻の平均がきちんと正午になるか
 上側、下側対称に丸めたものか否かは、日の出・日の入り時刻の平均が正午になるかで確認可能
 →確かにほぼ正午になっている(こちらのpdfをご覧ください)
 →例外はちょうど0.5の場合として説明可能
 (ちょうど0.5の場合、そのまま・切り上げ・切り捨てと処置がバラバラのようである:つまり四捨六入)

結論:「1日=50刻=300分、分未満四捨六入」でほぼ間違いない。

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